2025/11/03
category - WE21
WE講座「ゆらぐ日本の平和」を開催しました
10月24日(金)、かながわ県民センターにて、沖縄県在住で基地問題に取り組む谷山博史さん(元JVC代表理事)を講師に迎え、WE講座「ゆらぐ日本の平和」を開催しました。当日は日本の軍事化が加速する現状に対する危機感から、市民53人が参加し、熱心に耳を傾けました。

沖縄の人々による辺野古新基地建設への反対運動は28年間続いています。辺野古の埋め立ては2024年末までに総量の16.1%に過ぎないにもかかわらず、2025年度までに予算の81%が支出され、青天井の税金投入がされています。この間、県知事や県民の民意を無視した代執行が行われており、谷山さんはこれを「環境や市民、法に対する国家権力の暴力であり、戦前・戦中の軍の論理の再現だ」と指摘されました。
また、現場から見える「沖縄の軍事化」として、大浦湾の埋め立て工事の着工や「土地規制法」の問題が挙げられました。さらに日米が想定する「台湾有事」により、沖縄の島々は要塞化し、自衛隊の基地拡張や機能強化、日米共同統合演習・訓練がかつてないほど拡大している現状を、写真を交えて紹介。さらに、谷山さんは政権が進めようとしている「スパイ防止法」の制定も含め、「戦前に近づいている」という実感を語られました。
そして、沖縄をはじめ社会全体が右傾化している中で、大切なのは一番遠くにいる人や世代を超えた人との「対話」であると強調。異なる意見の人とも対話を重ねることで関係性が変わると話されました。また、情報操作に惑わされず、確かな情報を得るには、現場から事象を見ることが重要であること、さらに「コモンズ」という新しい価値観が特に若い世代に希望をもたらしていることも紹介されました。

参加者からは「日米地位協定」「中国脅威論」「尖閣諸島問題」「対話の必要性」「メディア問題」など、多岐にわたる質問や意見が相次ぎ、予定時間を超えて熱気にあふれた時間となりました。
平和は軍事力ではなく対話によって築いていくもの……軍事国家の道に進ませないために、私たちは諦めずに、一人ひとりが市民力を高める努力を続けていくことの大切さを、改めて心に刻む講座となりました。